冬の時期、子供が熱を出したらまず疑うのがインフルエンザにかかっていないかどうかです。
熱のほかに腹痛、下痢、嘔吐といった症状がある場合もインフルエンザの可能性が考えられます。
インフルエンザが幼稚園や小学校で流行っているとしたら子供にうつっていないか親として心配ですよね。
今回はインフルエンザの症状や腹痛の対処法、検査は必要かどうかについて詳しくみていきたいと思います。
目次
子供のインフルエンザの症状で腹痛はある?
子供がインフルエンザに感染してしまったときに、その症状として腹痛が起こる場合があります。
インフルエンザはウイルスの種類によって主な症状が変わってきます。
インフルエンザの中でも腹痛や下痢の症状が起こりやすいのはインフルエンザB型の場合が多いといわれています。
インフルエンザB型の特徴は、発熱や微熱が続き腹痛や下痢といった症状が出ます。
主に2~3月にかけて流行し、感染力が強く人だけに感染するのがインフルエンザB型の特徴です。
毒性はあまり強くはないためそれほど重症化することはありませんが、ウイルスが体内に残りやすいために、熱が下がった後も、しばらく腹痛や下痢の症状が長引くことがあります。
インフルエンザによる腹痛、下痢の原因と対処法
インフルエンザに感染することで腹痛や下痢が起こる原因は、体が体内にあるウイルスを外に出そうとしているからです。
胃腸がウイルスを排出するために腹痛や下痢、ときに嘔吐といった症状を自ら引き起こすのです。
下痢の症状が出ている場合は、トイレを我慢させないで、できるだけ早く排泄をしてウイルスを体外に出しましょう。
症状を抑えるために下痢止め薬などを使用することは、ウイルスの排出を止めてしまうことになるのでやってはいけません。
子供はトイレに何度も行くことになるので脱水症状にならないように注意しましょう。
脱水症状の予防には電解質の入った経口補水液を飲ませることが適しています。
他には塩分、ミネラルが取れるので常温のスポーツ飲料などもおすすめです。
排泄後もしばらく腹痛が続くときはお腹の周りを暖めてあげると効果的です。
暖かい服装でお腹にカイロなどを入れて腹巻をしてあげてください。
その際時計回りにお腹をさすってあげると心理的な面からも痛みがやわらぎます。
薬の副作用として腹痛や下痢が起こることも
タミフルなどに代表される抗インフルエンザ薬は、ときに強い副作用によって腹痛や下痢、嘔吐といった症状を引き起こすことがあります。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える働きがあるためインフルエンザの回復を早めます。
しかし、腹痛や下痢などの副作用があまりにもひどい場合は服用を続けるかを医師に相談しましょう。
腹痛や下痢になったときの食事は?
インフルエンザウイルスによって胃腸炎になっている可能性がありますので食事の内容には気をつけたいところです。
胃腸がとにかくダメージを受けているときには消化の悪い物は食べさせてはいけません。
消化しやすくて温かいおかゆ、雑炊、うどんなどが良いでしょう。
たんぱく質を取るためにタマゴを加えるとさらに良いです。
たんぱく質は弱った胃の粘膜を修復してくれます。
ただし、下痢や嘔吐をひどく繰り返している時は、食事は少し控えめにして、まずは脱水症状の対策として経口補水液などを少しずつ飲ませるようにしてください。
インフルエンザは自然治癒するの?
インフルエンザになってしまったら病院に行かなくては治らないというイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
インフルエンザは自然治癒力で治ります。
通常の健康な子供であれば4~5日ほど安静にしていれば熱は下がり自然と治っていきます。
自然治癒力とは
自然治癒力というのは、人間が本来持っている体の不調を元の状態に戻す能力のことをいいます。
ケガをした時に傷口がふさがったり、骨を折ってもくっついたり、ウイルスや菌に感染しても、熱を上げてからだの中でやっつける能力が自然と備わっているのです。
インフルエンザにかかったときに病院で処方されるタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬であって、決してウイルスを死滅させる薬ではないということを覚えておきましょう。
ウイルスを退治するのはあくまで人間自身であり、本来持っている自然治癒力による働きによって行われています。
ですから、免疫力を上げるために安静にして体をしっかり休めることが大事なんです。
インフルエンザが疑われる場合は検査したほうがいい?
インフルエンザは時間とともに自然と治るため検査や薬は必要がないのでしょうか。
たしかにインフルエンザは自然治癒する病気ですが、まだ免疫力が低い小さなお子さまの場合、症状が長引いてしまったり、ときに重症化してしまう可能性もあります。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑えるため、治癒までの期間が短縮され、重症化を防ぐ効果もあります。
検査はいつ受けたらいいの?
インフルエンザの検査は、発症から12時間以上経ってからでないと、正確な検査結果が出ません。
インフルエンザに感染してまだ間もないときは、ウイルスの量が少ないからです。
しかし、抗インフルエンザ薬として処方されるタミフルやリレンザは、発症してから48時間以内に服用する必要があります。
その理由は、ウイルスの増殖が始まって終わるまでの目安が発症から48時間とされているからです。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える薬ですので、増殖が終わってしまってから服用しても意味がありません。
ですので、インフルエンザの検査を受けるタイミングとしては発症から12時間後がベストとなります。
まとめ
今回はインフルエンザの症状として子供が腹痛と発熱を訴えている場合について詳しくみてきました。
腹痛や下痢の症状が出ている場合は主にインフルエンザB型であることが考えられます。
熱はそれほど高くは上がりませんが腹痛や下痢が長引くことがあります。
下痢はウイルスを体外に排出するための防衛本能として出る症状ですので、トイレで排便することが回復に繋がります。
早く治したい場合は発症から12時間後あたりをねらって病院に検査に行きましょう。
抗インフルエンザ薬を服用すればウイルスの増殖を抑えられるので回復までの時間が短縮されます。
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