妊婦生活を経て無事に出産し安心もつかの間、今度は嬉しくも楽しくもあり大変でもある子育てに突入します。
コミュニケーションとも言える赤ちゃんとお母さんとの大切な授乳期間も離乳食が始まりいつかは卒乳を迎えます。
卒乳とは母乳を卒業する。
つまりもうおっぱいは飲まないということです。
卒乳すると母子共に病気になりやすいと言われています。
卒乳と病気の関連性は果たしてあるのでしょうか?
目次
卒乳すると赤ちゃんは病気しやすくなる?
これについての回答は「YES」です。
母乳というものは実は私たちが思っている以上にスーパーな飲み物なんです!
そのキーワードは免疫。これは多くの人が知っていますよね。
母乳には免疫グロブリンAという免疫物質が含まれていて、母乳を飲むことで赤ちゃんは感染症などの病気から守られています。
免疫グロブリンA(IgA)には新生児の消化管を細菌・ウイルス感染から守る働きがあります。
とくに出産後2日~3日以内の母乳にはその物質が大量に含まれている為、初乳は赤ちゃんにとって欠かせないものと言えるほど大事なのです。
初乳だけで生後6ヶ月は赤ちゃんを感染症から守れるといいます。
もちろんそれ以降の母乳にも免疫物質は含まれていて濃度は低くなりますがきちんと赤ちゃんを守っているそうです。
母乳を止めると当然ストップするわけです。
そのためまだ抵抗力が未熟な赤ちゃんは病気になりやすいと言われています。
心配ですが赤ちゃんなりに病気に感染することで、免疫や抵抗力をつけ成長しているのです大丈夫です。
その時がきたら卒乳を恐れずに、病気に感染するのも成長なんだと前向きに考えましょう。
卒乳すると母親も病気にかかりやすい?
これについても回答は「YES」です。
授乳中は授乳中のホルモンが多く分泌されています。
卒乳するとそのホルモンがストップするためホルモンバランスの変化によって体調を崩してしまう人もいます。
また生理が再開しPMS(月経前症候群)などの不快な症状や、短期間での断乳で乳腺炎なのどのトラブルも場合によっては発生します。
私は今まで風邪や発熱などとは無縁な生活を送ってきたのですが、断乳後3ヶ月くらいまではひと月に1回は高熱を出していた覚えがあります。
育児の疲れもあったと思いますが、ホルモンの影響もあったと思います。
私の経験のように断乳後1~3ヶ月は体調不良が続く人が多いようでした。
あまりに症状が酷い場合は婦人科に相談してみるのもいいと思います。
卒乳を上手にさせるためには
共働きが増え仕事の都合や病気になってしまった、2人目が欲しい等それぞれ断乳にはさまざまな理由があると思いますが、一番は子供の意思を尊重するのがいいのかな?と言うのが私の意見です。
卒乳する時期については、私の周りでは1歳~2歳を目途に止める人が多かったように思います。
私の子も1歳6ヶ月で卒乳しました。
世界保健機関(WHO)でも生後6ヶ月~2歳までの母乳育児を推奨しています。
離乳食は1歳半で完了期を迎えると言われているので、それ以降は子供の精神的な安定のためにあげているというお母さんがほとんどです。
稀に3歳4歳になっても子供が求めてくるという人もいて「まだ飲んでるの?恥ずかしいよ」と言われることもあるようですが、いつかは必ず子供から授乳を拒否するタイミングがあるようなので周りの意見に囚われず待ってあげるのも良いと思います。
上手に卒乳するには2つの方法が有効です。
私は両方経験したので体験談を踏まえて書きたいと思います。
【1】 短期型の卒乳
予め卒乳する日を決めておき、その日から授乳をしないという方法。
この方法だとほとんどの赤ちゃんが3日間で卒乳できると言われています。
*私は夜中の添い乳(寝ながら授乳すること)を子供に癖づけてしまい、生後8ヶ月のときに夜間断乳(夜のみ授乳しない)というのを決行しました。
<注意すること>
泣いて欲しがっても絶対にあげない。
前日まで貰えていたものが貰えなくなるのは赤ちゃんにとって一大事。当然泣きます。
我が子の場合は泣き疲れて眠るまで3時間以上のギャン泣きが2日間続きました。
赤ちゃんの体力に脱帽した瞬間でしたね(苦笑)
音楽を聞かせてみる、ぎゅっと抱きしめてあげる、手を握ってあげるなど子供が安心することをやってあげるとよいとネットで見ましたが全て無意味。
まくらも布団もぶん投げられ、蹴られ叩かれ、ただ横でひたすら見守るのみでした。
そう・・・見守るのが一番。余計なことをすると更に泣かれるという結果でした。
でも可哀想だからと中途半端にあげてしまうと赤ちゃんは「これくらい泣くとおっぱいが貰えるんだ」と学習し卒乳がさらに大変になるとか・・・中途半端な愛情は一番酷です。
断乳に失敗した場合は2ヵ月間を空けることが望ましいようです。
3日間を乗り切ると赤ちゃんも「いくら泣いてもおっぱいは貰えない」と判断し欲しがらなくなるそうです。
私も2日目までは本当に3日で完了するのかと信じられなかったのですが、ちゃんと3日以降は夜も起きずに朝までぐっすり。
衝撃的な体験でした。
本気で短期間での卒乳をお考えの方はまず3日間、夜寝ない覚悟で頑張ってください。
*補足*
短期間で止めると胸が張る、しこりができる等乳腺炎のトラブルも多々あるので注意してください。
最近では卒乳プログラムという指導をしてくれるところもあるので、お近くの産院や助産院を調べてみるのもいいと思います。
【2】 徐々に授乳回数を減らす卒乳
私の場合は離乳食3回食を目安に4ヶ月くらいの期間をかけて授乳回数を減らしました。
3回→2回→1回→1日おき→2日おき→卒乳という感じです。
たまに授乳を拒否されることも度々あったので止め時だったと思います。
徐々に減らすことでお互い無理なく卒乳できました。
調べてみると「桶谷式の卒乳方法」というのが推奨されているようです。
こちらのサイトが参考になります↓
「http://母乳育児.com/okeya-sotsu/」
まとめ
卒乳すると母子ともに体に変化が訪れます。
お母さんはホルモンバランスの変化で体調不良になりやすく、 子供は母乳で貰っていた免疫物質がストップし病気をしやすくなることが分かりました。
次のステップに進むために卒乳は必ずやってきます。
身体的にも精神的にもお互いが無理なく卒乳することをお勧めします。
卒乳しても子供とのスキンシップは変わらず、むしろそれ以上にしてあげてくださいね。